「海外駐在員に必要な英語力って、実際のところ、どれくらいなんだろう?」
「海外赴任で英語で困らないためには、何からどうやって勉強すればいいの?」
あなたはこんな悩みをお持ちではないでしょうか?
「海外駐在員」は、特にグローバル志向の高いサラリーマンにとっては一つの大きな目標です。それもそのはず、海外駐在員の仕事は規模が大きいため、ロマン・やりがいを強く感じることができます。
加えて、海外駐在員の年収水準は極めて高く、大手の駐在員であれば年収1,000〜2,000万円、役職が上ならもっと高年収も実現できます。
さらには、豪華な家に会社の負担で住めたり、使い放題の社用車が支給されたり、家のことを全部代わりにやってくれるお手伝いさんが付いたり・・と、日本では味わえないような豪華な生活を送ることもできます。
こういう魅力がたくさん詰まった仕事が駐在員ですが、多くの駐在員が不安に感じるのは「英語」です。「英語ができないけど、駐在なんて務まるのだろうか..」と不安に感じるのは、ある意味当然のことなんですよね。
そこで本記事では、海外駐在員に必要な英語力を、もともと日系企業で海外勤務をしていた筆者が徹底解説します。
実際に多くの日系駐在員をこの目で見てきており、世界中の駐在員とも関わりを持ってきました。そのような経験から書くので、本記事の信頼性は高いと思います。
Contents
海外駐在員に必要な英語力は?【赴任する国や環境、役職によって変わる】
結論からお伝えすると、「海外駐在員に必要な英語力」は赴任する国やオフィス環境、取引先や役職によって大きく変わります。
- 赴任する国での違い
- 赴任するオフィス環境での違い
- 取引先による違い
- 役職による違い
この4つのパターンで、必要な英語力をわかりやすく解説しますね。
赴任する国での違い
まずは「国」に関してですが、一言で言えば、
- 英語が母国語の国=求められる英語力は高い
- 英語が母国語でない国=求められる英語力は高くない
これが結論です。
英語が母国語の国は、駐在員に求められる英語力が高い
例えばアメリカ、イギリス、オーストラリアなどの「英語が母国語の国」では、駐在員に求められる英語力は高くなりがちです。
なぜなら、現地スタッフ、クライアントが話す英語は「ネイティブ同士の英語だから」です。
例えば、私の知人にアメリカに駐在していた駐在員がいます。彼は相応に英語はできる方でしたが、アメリカに赴任してからは、英語で相当苦労していました。
理由は上記で述べた通り、現地のスタッフやクライアントが話す英語は「ネイティブ同士の英語」であり、使われる単語や表現、言葉のスピードも、日本人がついていけるようなものではなかったからです。
この彼はもともと東南アジアでも、英語で仕事をしていたことがあります。ですがその当時と比べても、アメリカの英語は段違いで難しかったそうです。
このように、母国語が英語の国の場合、ネイティブの間に入っていく必要があります。ですから、駐在員に求められる英語力も、必然的に高くなる傾向が強いです。
英語が母国語でない国は、駐在員に求められる英語力が低い
一方で、東南アジアのタイやベトナム、東アジアの韓国、台湾、香港などは、求められる英語力はそこまで高くありません。
なぜなら、英語が母国語ではない国の場合、現地スタッフ・クライアントが使う英語は「ネイティブレベルではないから」です。
私はアメリカだけでなく、東南アジアや東アジアの方とも、英語で頻繁に電話をしていました。その経験から言うと、アジア人の英語は、アメリカ人の英語と比べると、段違いで聞き取りやすかったです。
加えてアジアなど英語が母国語でない国の場合、使われている「文法」も時々デタラメだったりするものです。ですので、完璧な文章でなく、「単語のやり取り」であっても、一定仕事ができる環境でした。
このように、赴任する国によって、駐在員に求められる英語力は高くもなれば、低くもなります。
赴任する環境での違い
赴任する環境でも、海外駐在員に必要な英語力は変わります。
例えば「日本人がいないオフィス環境」に赴任する場合、求められる英語力は当然上がります。
そもそも、日本人ばかりのオフィスに赴任する場合、海外赴任したにもかかわらず、日常で使う言葉が「日本語だらけ」ということもあるんですよね。
一例を挙げると、例えば日本人割合が多いアメリカや中国の場合、会社によっては、社内でやり取りする人はほとんど日本人で、取引先も日系企業の日本人、ということがあります。
そのような環境の場合、英語ができずとも、日本語で仕事が回ります。ですから、求められる英語力は高くありません。
一方、「日本人が一人」ないしは「日本人が少数」のオフィスに赴任する場合、社内でコミュニケーションを取る人は基本外国人です。その場合、仕事を進める以上、英語でのコミュニケーションが必須となります。
このように、赴任するオフィスの環境が日本人が多いか、それとも少ないかによっても、海外駐在員に求められる英語力は変わります。
取引先での違い
海外赴任先で「日系企業の日本人担当者」を相手にするのではなく、「日系企業の外国人担当者」や、「現地企業の外国人担当者」を相手にする場合も、求められる英語力は上がります。
特に「現地企業の外国人担当者」を相手にする場合、彼ら彼女らのボスも外国人であることが多いです。そういったシーンでは、高い英語力が必要となります。
一方、取引先が「日系企業の外国人担当者」の場合、彼ら彼女らのボスは日本人であることが一般的です。そういう場合、英語がちゃんと通じない場合は日本人が出てくるケースも多いんですよね。
このように、取引先がどんな企業で、どんな担当者かによっても、海外駐在員に必要な英語力は変わります。
役職での違い
どんな役職で赴任するかによっても、必要な英語力は変わります。
例えば、現地スタッフをマネジメントする「マネジメント層」「経営層」の場合、求められる英語力は当然上がります。
なぜならマネジメントポジションの場合、自分一人でできる仕事は基本なく、現地のスタッフを動かし、チームでプロジェクトを成し遂げる必要があるからです。
マネジメントポジションというのは、具体的には「課長以上=Manager以上」を指します。Manager以上の場合、マネジメント責任が出てきますから、必要な英語力は上がります。
ここまで述べたように、
- 赴任する国での違い
- 赴任するオフィス環境での違い
- 取引先による違い
- 役職による違い
これらによって、海外駐在員に必要な英語力は変わることが実態です。
海外駐在で使う英語は日常英語とビジネス英語の2つ
海外駐在員に必要な英語は「日常英語」と「ビジネス英語」の2つに分けることができます。
海外駐在員にとって、それぞれどんな位置付けかと言うと、次の通りです。
- 日常英会話は事前に習得しておくべき
- ビジネス英語も基本的なコミュニケーションは事前に習得しておく必要があるが、専門的なことは現地に行ってからでOK
それぞれ解説します。
「日常英語」は海外赴任中のどんな場面でも必要
海外駐在員に必要な英語力は「ビジネス英語」と思われがちですが、実は「日常英語」の方が最初は重要です。
なぜなら、海外駐在員にとって、日常英会話はどんな場面でも必要だからです。
例えば、日常を生活するにあたり、買い物をしたり、レストラン・カフェに行ったり、公共の交通機関を利用したり、病院へ行くことも出てくるでしょう。そういう全ての場面で、英語は必要となります。
仕事においても、赴任先の現地スタッフや、取引先のクライアントと信頼関係を築くためには、仕事以外の会話は必要不可欠です。
実際に私が海外勤務をしていたときは、現地スタッフとの日常会話は本当に多かったですし、日常会話が信頼関係作りに極めて役立ちました。
世界中のどこの駐在員に話を聞いても、日常会話でコミュニケーションを取ることの重要性はみなさん気づいていましたよ。
このように、日常会話は信頼関係構築の土台ですから、まず最初に身につけておくべき英語力となります。
「ビジネス英語」の専門的なことは現地で身につけることができる
一方「ビジネス英語」の専門的なことは、実は実践で身につけることができます。
例えば自動車業界であれば、自動車業界でよく使われる専門的な英語があります。代表的なのは部品の名称などですね。
専門的なビジネス英語は、日本で事前に学習するよりも、現地でよく使われる英語を中心に覚えた方が効率的です。
もちろん、ビジネス英語の基本的な会話(自己紹介や質問の仕方)は、事前に身につけておけますし、習得しておく必要はありますよ。海外駐在は英語の研修ではないので、事前に困らない程度のビジネス英語は必要です。そうしないと、現地で全くコミュニケーションが取れないからです。
ですが、業界特有の専門的なビジネス英語は、現地で習得した方が効率が良いです。
以上を踏まえると、
- 日常英会話は事前に習得しておくべき
- ビジネス英語も基本的なコミュニケーションは事前につける必要があるが、専門的なことは現地に行ってからでOK
ということになります。
海外駐在員はみんな英語を話せるの?【実は話せない駐在員も多い】
実際のところ、海外駐在員になっている人が、みんな英語を話せるわけではありません。
事実として、英語が全く話せないにも関わらず、海外駐在員になっている人も、多くの会社で存在するんですよね。
ただそういう方でも、前述したような
- 英語が母国語でない国で、
- 日本人が多いオフィス環境に赴任し、
- 取引先は日系企業の日本人担当者で、
- ポジションも普通の担当者レベルであれば、
英語ができずとも、仕事はなんとか回ってしまうものです。
とはいえ、上記のような環境でない場合、英語は当然求められます。
英語が話せないと、現地の人とコミュニケーションを取ることはできず、せっかく駐在したのに、日本にいるのと変わらないような生活になってしまいます。それだと、せっかく駐在に行けたのにもったいないですよね。
だからこそ、駐在員になるなら「最低限の英語力」は身につけることが、必要なことだと思います。
ということでここからは、
- 現在、海外駐在員として赴任している人の英語勉強法
- 海外赴任が急遽決まった人の英語勉強法
- 将来海外駐在員になりたい人の英語勉強法
これら3パターンに分けて、どう勉強していくことがおすすめか、具体的な勉強法を解説します。
「現在、海外駐在員として赴任している人」の英語勉強法
まずは「現在、海外駐在員として赴任している人」の勉強法を紹介します。
結論、「日常英語」と「ビジネス英語」の勉強を分けて、以下の通り勉強することがおすすめです。
- 日常会話:良質な英語教材でインプットを行い、赴任先で実際に使って練習する
- ビジネス英語:実践を通じて身につける
上記の通りです。
「日常英会話」は、英語教材等で正しい知識をインプットし、インプットした内容を実際の生活で使うことがおすすめです。
この際に重要なのは、実践的な日常会話が学べる、良質な教材を使うことです。よくない教材を使っても、非効率なばかりか、実践で使える会話が身につかないからです。
ではどんな教材を選べばいいかというと、日常英会話を学べるおすすめ教材は次の通りです。
- スタディサプリEnglish 新日常英会話コース【日常英語を学ぶなら特におすすめ。英語アプリなので、いつでもどこでも日常英会話を学習可能】
駐在員に必要な英語力を手軽に学習するならスタディサプリEnglish 新日常英会話コースがおすすめです。
スタディサプリEnglishの一つを徹底的にやるだけでも、日常会話のベースは身につきます。
その上で、ビジネス英語同様、日々の仕事で実際にアウトプットしながら学習していけば、日常会話もビジネス英語も上達していきます。
私自身も海外で仕事をしていた時は、仕事で言えたことや言えなかったことをメモしながら、「翌日はこのフレーズを使ってみよう」という風に、予習・復習を繰り返していきました。
そうやっていくと、徐々に自分自身が話せるレパートリーが増えますし、聞き取れる英語の範囲も増えていきます。
以上が現在海外駐在員として赴任している人の勉強法です。迷ったら、まずはスタディサプリEnglish 新日常英会話コースから始めることがおすすめです。
なお、もっと詳しい勉強方法を知りたい場合は「英語を3ヶ月集中で話せるようになる独学勉強法」で紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。
「海外赴任が急遽決まった人」の英語勉強法
海外赴任が急遽決まった人におすすめなのは、日常会話とビジネス英語をセットで勉強できる「英語コーチングスクール」を利用することです。
英語コーチングスクールとは、パーソナルコーチがついた英会話スクールです。1〜3ヶ月など短期集中で通い、ビジネス英語や日常英語を習得することができます。
海外赴任前だと、引き継ぎ等で忙しく、使える時間も限られます。
ですが、赴任前に時間を作って英語をやっておくことで、現地に行った後に、スムーズに生活・仕事を立ち上げることができます。その価値はかなり大きいですよ。
急遽海外駐在員が決まり、赴任前の1〜3ヶ月で、英語力を伸ばせる英語コーチングは次の通りです。
- PROGRIT【ビジネス英会話に圧倒的な強さ。最短2ヶ月で受講できる。サッカーの本田圭佑選手も受講して絶賛している人気スクール。オンライン受講可能】
- ライザップイングリッシュ【同じくビジネスシーンの英会話に強い。最短2ヶ月から。オンライン受講可能】
- One Month Program【1ヶ月受講できる英語コーチング。海外赴任前に1ヶ月で英語を習得したい場合に特にぴったり】
上記3つが、赴任前に爆速で英語力をつけるならおすすめです。
PROGRITは英語コーチングの中でも代表的スクールです。基本的なビジネス英語はもちろん、現地で信頼関係を築くための日常会話も網羅的に学ぶことができます。サッカーの本田圭佑選手も受講していたことで有名なスクールです。最短2ヶ月受講可能となっています。
ライザップイングリッシュもPROGRIT同様、ビジネス英語・日常会話を網羅的に学べます。挫折させない学習サポートが特徴なので、駐在前の期間でもやり切ることができると思います。2ヶ月受講可能です。
最後のOne Month Programは1ヶ月受講できる英語コーチングです。2ヶ月受講する時間がない場合、こちらのスクールが最有力候補となります。
以上が、海外赴任が急遽決まった人におすすめな英語コーチングです。
気になる場合、どのスクールも無料カウンセリングを開催しているので、気軽に相談してみることがおすすめです。
どのスクールも海外駐在目的で受講している人が多いので、自分の英語力で本当にやっていけるのか、何を準備すればいいのか、本受講せずとも、無料でアドバイスしてくれますよ。
「これから海外駐在員を目指す人」の英語勉強法
一方で、「まだ海外駐在は決まっていないけど、将来的に海外赴任したい人」は、今のうちから本格的な英語力を身につけておくことがおすすめです。
英語力を武器にできれば、駐在員に選ばれる確率も高くなりますし、転職を通じて、駐在員になれるポジションへ、転職することもできます。
具体的な勉強法は、この場合も前述した英語コーチングがおすすめです。受講期間は必要な英語力がしっかり身につく「2ヶ月〜1年間」をおすすめします。
その場合、おすすめスクールは次の通りです。
- PROGRIT【ビジネスシーンで通用する英会話に強い。最短2ヶ月受講できる。サッカーの本田圭佑選手も受講して絶賛している人気スクール。オンライン受講可能】
- ライザップイングリッシュ【同じくビジネスシーンの英会話に強い。最短2ヶ月から。オンライン受講可能】
- トライズ【1年間で本格的な英語力を習得したい方向け】
海外駐在がまだ決まっていない場合も、PROGRITとライザップイングリッシュは変わらずおすすめです。
また、駐在が決まっていない場合は時間があるので、その場合は「トライズ」を利用することも良い選択です。
トライズは1年間の長期スクールですが、複雑な議論を英語でできるレベルを目指すスクールです。
PROGRIT、ライザップ以上に英語力が身につく環境なので、受講価値は高いです。
まとめ
最後に、海外駐在員が良いものとなるか、それとも良くないものとなるか、それを決める大きな要素が「英語力」です。
これまで数多くの駐在員を見てきましたが、中には英語が全くできずに海外赴任となり、現地で英語を学習することもなく、何もできないまま日本に帰っていく駐在員もいました。
何よりせっかく現地に赴任したのに、現地の人と仲良くなれないのは、かなり勿体無いと感じてきました。
専門的なビジネス英語を、高いレベルで習得しておく必要はないです。
ですが、日常やビジネスで問題なく会話できる英語力くらいは、駐在員になる前に、事前に身につけておくことを強くおすすめします。
そうすれば、仮に海外駐在員になれずとも、活かせる場面はたくさんあります。海外出張が多い仕事へ転職することもできますし、外資系企業へ転職し、年収を100万円単位で上げることもできます。
例えば「doda X」という転職サービスは、ハイクラス・エグゼクティブ求人に強い転職サービスです。英語力を武器に、海外駐在を目指せる大手企業への転職はもちろん、海外出張の多い仕事や外資系企業へ転職を目指せます。
このように、英語力を身につけておけば、海外駐在はもちろん、人生の選択肢・可能性は大きく広がります。
だからこそ、まずは今回紹介した方法で、英語勉強を始めましょう。