総合商社・専門商社の海外駐在事情は?【元海外赴任者が実態を解説】

総合商社・専門商社の海外駐在事情は?【元海外赴任者が実態を解説】

「商社マンの海外赴任事情って、実際どんな感じなのかな?仕事内容や収入のリアルについて知りたい」と、思っていませんか?

 

今回は商社の海外赴任事情について、元海外赴任者の筆者がリアルをご紹介します。

 

私は海外赴任を通じて、赴任先の国を始め、世界中の国々を相手に仕事をしてきました。

 

その過程では、三菱商事を始め、伊藤忠商事や住友商事、豊田通商など、多くの商社マンのリアルな生活事情・仕事事情・懐事情までを聞いてきました。

 

商社だけでなく、メーカーや物流など、数多くの駐在員を見てきた立場でもあるので、他の業界と比較した商社ならではの駐在員事情も把握しています。

 

そのような経験をもとに、商社マンの駐在員事情について、リアルな情報をご紹介しますね。

 

商社マンの海外駐在員事情【総合商社と専門商社に分けて解説】

商社といっても、大きく以下2つに分けることができます。

 

  1. 総合商社:様々な商品を取り扱う商社
  2. 専門商社:特定の商品を取り扱う商社

 

海外駐在員事情は、総合商社と専門商社で異なりますので、それぞれで解説しますね。

 

海外駐在員が特に多いのは総合商社【社員5人に1人が駐在員が平均】

商社で海外駐在員が最も多いのは、圧倒的に総合商社です。

 

例えば以下の総合商社は、海外駐在員が特に多い企業です。

 

海外駐在員が多い総合商社の企業

三菱商事

三井物産

伊藤忠商事

住友商事

丸紅

豊田通商

双日など

 

これらの総合商社は、私が実際に海外赴任している時も、現地に赴任されている方が多かった企業です。

 

上記総合商社は、社員数が大体3,000〜6,000名くらいです。このうち、海外駐在員として赴任している方は700〜1,300名くらいです。

 

つまり、総合商社の場合、大体5人に1人くらいが海外駐在員として赴任しているイメージですね。

 

上記は累計数ではないので、過去駐在していて現在日本に帰任している方は含まれていません。そう考えると、総合商社は5人いたら1〜2人くらいは駐在員になれるということです。

 

5人に1〜2人と考えると、かなりの割合で海外駐在員になれることがイメージできますよね。

 

総合商社の駐在員は様々な国・エリアにいる

私自身、海外勤務をしている中で多くの国・エリアの駐在員と仕事をしてきましたが、総合商社の駐在員は、本当にどんな国・エリアにもいました。

 

例えばアメリカのニューヨークや、イギリスのロンドンなど先進国・地域だけでなく、インドやアフリカなど、インフラが整っていない、発展途上国にも、総合商社の駐在員は赴任していたんですよね。

 

例えば私がお会いした住友商事の駐在員は、発展途上国、かつ全く知名度のない小さな田舎町に、ほぼ単独で赴任されていました。

 

これがトヨタ自動車などのメーカー(製造業)になると、トヨタの生産工場がある街に、大量のトヨタ社員、トヨタ関係会社(デンソーや豊田紡織など)の海外駐在員・長期海外出張者と共に赴任することが一般的です。

 

このように、どんな国・エリアにも海外赴任する可能性があるのが、総合商社の駐在員事情です。とはいえ大半は、アメリカや、タイのバンコクなど、メジャーな国・地域が多いですよ。

 

専門商社にも海外赴任できる穴場企業は多く存在【社員10人に1人が駐在員の専門商社も】

一方で専門商社の場合、総合商社と比べると、海外駐在員の数は大きく減ります。

 

とはいえ、専門商社の中でも、海外赴任できる穴場企業は多く存在するんですよね。

 

例えば以下の専門商社は、海外赴任者が実際に多く、私自身もこの中の企業の駐在員にはお会いしてきました。

 

海外駐在員が多い専門商社の企業

日鉄住金物産(鉄鋼、繊維などの専門商社)

長瀬産業(化成品・医薬品等の専門商社)

阪和興業(鉄鋼、食品などの専門商社)

興和(繊維、機械、医薬品などの専門商社)

伊藤忠丸紅鉄鋼(鉄鋼などの専門商社)

JFE商事(繊維、化学品などの専門商社)など

 

これらの企業は大体社員数が1,000名〜3,000名くらいですが、海外駐在員数は100〜300名ほどです。

 

つまり、専門商社の場合、10人に1人は海外駐在員として現地赴任している状態ですね。

 

総合商社の例と同じく、上記は過去に駐在員だった方は含まれていません。ですから、大体10人いれば1〜2人は海外駐在員として赴任していると考えれば概ね正しいです。

 

専門商社の場合、一社当たりの海外駐在員数や、社員あたりの駐在員割合は総合商社より劣るものの、それでも1企業100名以上、10人に1〜2人くらいは駐在できる企業もあるということです。

 

これが総合商社と専門商社の海外駐在員事情です。

 

海外駐在における商社マンの仕事内容【トレーディングと事業投資】

商社の仕事は大きく分けると「トレーディング」と「事業投資」があります。

 

トレーディングとは物を右から左に流す、いわゆる貿易な仕事です。例えばアパレルを海外で仕入れて、日本で売るような仕事です。

 

一方で事業投資とは、外部の会社に出資を行って小会社とし、人を送り込んで経営に関与する仕事です。

 

トレーディングと事業投資、どちらであっても海外駐在員の仕事は存在します。

 

商社が海外赴任する会社はどこ?【現地法人と海外小会社の2つ】

総合商社の駐在員の場合、基本的に以下2つパターンどちらかで赴任することが多いです。

 

  1. 現地法人に赴任するケース
  2. 海外子会社に赴任するケース

 

現地法人に赴任するケース

現地法人に赴任するケースが一つです。例えば三菱商事の場合、「三菱商事のアメリカ法人へ赴任」というパターンです。

 

仕事内容は、現地法人近郊の投資会社の事業管理などがあります。

 

一方で、社長・取締役などの経営ポジションや、部長などの管理職であれば、事業責任を負いながら、現地の日本人駐在員や、現地採用の日本人・外国人スタッフのマネジメントも行います。

 

現地法人への赴任は、20代の若手、30代の中堅、40代以降のベテランなど、どんな年代でも駐在の可能性があります。

 

海外子会社に赴任するケース

もう一つが、トレーディングで出資した海外子会社(事業会社)に赴任するケースです。

 

海外小会社の事業成長に向けて、経営に積極的に参画したり、業績管理をしたり、トレーディング事業をしたりと、責任ある仕事を行います。

 

また現地小会社の社長など、会社のトップ・取締役クラスで赴任することもあります。この場合、職務内容のレベルが高い分、20代の若手というよりは、経験を積んだ中堅〜ベテラン以上の方が赴任することが多いです。

 

このように、商社の海外駐在の仕事内容は、現地法人と海外小会社に赴任するケースで分かれます。

 

海外駐在員になりやすい商社マンの職種

実は「海外駐在員になりやすい職種」というものが存在します。

 

営業職(総合職)や経理職が多い

商社マンでいうと上記の通り、営業職や経理が多いです。

 

一番多いのは営業職です。総合商社だと「総合職」と表記していることも多いですが、実際にやっていることは「営業」です。

 

そもそも総合商社は営業職(総合職)が花形であり、配属数も最も多いです。海外駐在員として赴任される方も、大半は営業職(総合職)出身ですね。

 

一方で、管理部門で駐在員になりやすいのは経理職です。これは総合商社に限らず、メーカーや国際物流など、多くの業界で共通しています。

 

逆に、人事や総務部などの管理部門は、海外駐在員の機会は圧倒的に少ないです。

 

商社で海外駐在員になりたくて、でも営業はできないと思う場合、狙い所は経理です。

 

商社の海外駐在員の収入・生活事情

一番気になるであろう海外駐在商社マンの収入・生活事情を紹介します。

 

まず収入事情は、以前に「海外駐在員の年収・給料事情は?元海外赴任者が解説」でご紹介しましたが、海外駐在員の年収は、日本にいるときの「額面1.5倍」「手取り1.7〜1.8倍」になることが多いです。

 

例えば日本で「年収800万円」の人が海外赴任したら、額面は1.5倍の「年収1,200万円」になるイメージです。

 

一方、年収800万円の手取りは約590万円ですので、こちらは約1.7倍となり「手取り約1,003万円」が相場となります。

 

総合商社の場合、30歳で年収1,000万円は十分到達できます。30歳年収1,000万円で赴任した場合、大体額面で年収1,500万円くらいのイメージですね。

 

ただこれは企業によっても若干異なるので、あくまで目安です。実際にはもっと給料が高い商社もあります。

 

例えば総合商社の海外駐在員で赴任していて、私が実際にお会いした方には、年収2,000万円〜年収3,000万円以上を得ている方もいました。夢がありますよね。

 

また収入だけでなく、住宅や福利厚生など「生活事情」も、特に総合商社の駐在員はかなり恵まれています。

 

  • 日本では住めないような豪邸に、ほぼ会社負担で住める
  • 家のことを全部やってくれるお手伝いさんがつく
  • 移動のすべて運転手が代行してくれる
  • 日本への帰国費用も、年数回分を会社が負担してくれる

 

このように、住宅や福利厚生もかなりの好待遇になっているんですよね。

 

このように、海外駐在商社マンの収入事情や生活事情は、日本にいる時よりも高水準となっています。もちろんその分、仕事の重責もありますが、責任の高さを考えても、恵まれていますよね。

 

ちなみに、なぜ額面より手取りが増えるかは、前述した「海外駐在員の年収・給料事情は?元海外赴任者が解説」で紹介しているので、こちらもチェックしてみてください。

 

商社の海外駐在・海外勤務は何年目からいける?

結論、企業によりますが、早い会社だと入社2年目から行っている人もいます。

 

商社の海外勤務パターンは、前述した「現地法人」への赴任や、「海外小会社」への赴任以外に、「海外研修」として海外赴任するケースもあります。

 

海外研修の場合、入社してすぐのタイミングで海外へ行くことも多いので、入社2年目くらいからでも海外勤務はあります。

 

特に総合商社の場合は20代でも海外勤務している人はかなり多いので、入社2〜8年目くらいでも、海外駐在や海外勤務はできますよ。

 

商社で海外赴任を目指す方法

あなたが学生なのか、それとも社会人かによって変わります。それぞれ分けてご紹介しますね。

 

学生の場合

学生の場合、真っ当に就活で内定を勝ち取ることです。

 

特に「総合商社」の採用はかなりの激戦ですので、自分自身の人間力を高めることが必要です。

 

ただ商社と言っても、伊藤忠商事のような体育会系の会社や、住友商事のような大人しめの会社など、各社でカラーがあります。ですので、こういう人なら必ず内定を取れる、というのはありません。

 

その中でも、商社全般で活かせそうな経験や能力は以下のような要素です。

 

  • コミュニケーション能力
  • リーダーシップ
  • 地頭の良さ
  • 英語力
  • 海外経験など

 

この辺りは高い水準で求めることが多いです。

 

学生のうちに、組織のリーダーとして成果をあげた経験やプロセスを語れるようにしておくと良いでしょう。

 

また海外経験や、英語を筆頭にした語学力も、当たり前にできるようになっておくと、マイナス面を作らずに済みます。

 

特に総合商社は、内定までの道のりは高いですが、ちゃんと準備して臨むことで、内定を勝ち取っている学生も多くいます。

 

だからこそ、あなたが学生なら、準備できることを今のうちにしておくことが必要です。

 

社会人の場合

一方で社会人の場合、商社に強い転職エージェントを利用することが必要です。

 

学生の場合はポテンシャル採用でしたが、社会人の場合は「経験者採用」が一般的となります。

 

経験者採用の場合「過去に培ってきた経験を活かせるかどうか」が、転職の最大のポイントです。

 

ただ、この辺りは自分一人で考えても見えづらいものなので、商社の転職事情に強い転職エージェントに相談してみることをおすすめします。

 

参考までに、商社などのハイクラス・グローバル求人に強い転職エージェントは以下記事でまとめています。

 

 

上記で取り上げている転職エージェントには、丸紅など「総合商社の中途採用求人」もありました。

 

専門商社だけでなく、総合商社への中途入社にチャレンジしたい方は、上記であげている転職エージェントを複数併用してみてください。ほとんどの転職エージェントは登録・利用ともに「無料」でできますよ。

 

まとめ

商社の海外駐在は、仕事のやりがいがある上に、待遇も抜群に良いです。特に待遇は他の業界と比べてもトップクラスに良いので、海外赴任を目指すなら、一番良い業界だと思います。

 

海外駐在という生き方も検討してみたいという場合は「海外赴任したい人が駐在員になるには?海外駐在できる仕事や方法を紹介」でより具体的な方法を、就職・転職の専門家の視点でご紹介していますので、こちらもぜひチェックしてみてください。

 

 

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EIGOTO編集部は、留学経験者、海外勤務経験者、英会話スクール受講者などで構成されています。 入念な調査やスタッフの英語学習体験をベースに、英会話スクール、英語アプリ、英語教材、英語勉強法の紹介などを行っています。