「ディクテーションで英語を勉強したいけど、どうやってやればいいんだろう?」
「ディクテーションって本当に効果あるのかな?」
「効果的なディクテーションのやり方を知りたい」
あなたはこんな悩みをお持ちではないでしょうか?
ディクテーションは「聞いた英文を書き取る勉強法」であり、リスニング力を高める上で評判が良い勉強法です。
とはいえ、本当に効果があるのか、どういうやり方で勉強すれば効果的なのか、いまいちわからないですよね。
ディクテーションはやり方を間違えると、効果が薄くなるので、せっかくたくさん時間をかけても、思うような効果が出ない可能性もあります。
そこで本記事では、これからディクテーションを始めたい方向けに、
- ディクテーションの効果
- ディクテーションの効果的なやり方と注意点
- ディクテーションでおすすめな学習サイトや教材
これらについて解説します!
これを書いている私は、ディクテーションの勉強を毎日、365日以上続けた経験があります。もともとTOEIC400点代だった点数は700点を越え、その後は英語を使ってプレゼンができるようになるなど、英語力が大きく伸びた経験があります。
本記事を読めば、ディクテーションの効果や、上達するやり方・注意点までを理解し、リスニング力を大きく伸ばすことができますよ。ぜひ最後まで読んでみてください。
Contents
なぜディクテーションは効果的なのか?
ディクテーションは「精聴」であり、英語は精聴してこそ「英語力向上」につながるものだからです。
ディクテーションは聞いた音を書き取っていく勉強法ですので、一言一句、集中して英語を聞き取る必要があります。
この「集中して聞くこと」が「精聴」であり、英語力向上に役立つんですよね。
なぜ精聴が良いかというと、意識して精聴することで、英語の音、意味、音の繋がりなどを理解できるからです。
適当に英語を聞き流していると、英語の音も、意味も、音の繋がりも、どれも理解できません。
このように、ディクテーションで精聴するからこそ、リスニングで必要な英語の音、意味などを丁寧に吸収していけます。これがディクテーションが効果が高い理由です。
ディクテーションで得られる効果・メリット
ディクテーションで得られる効果・メリットをもう少し具体化すると、次の3つです。
- リスニング力が伸びる
- 自分の弱点がわかる
- リスニングだけでなく、文法や単語・リーディングの勉強にもなる
1. リスニング力が伸びる
ディクテーションの一番わかりやすい効果は、リスニング力が伸びることです。
前述通り、ディクテーションは音を一言一句書き取るトレーニングを行います。その過程で、英語の音や、英語の音の繋がりなどを、正しく理解することができます。
英語を耳で聞いていて全く聞き取れなかったのに、英文をみると「こんな簡単な内容だったのか!」と思ったことはありませんか?
これは英語の音と音が繋がっているように聞こえる「リエゾン」だったり、あるいは知っていた単語の音を間違って覚えていたことが原因です。
ディクテーションをすることで、リエゾンに課題がある場合も、単語の発音に課題がある場合も、どちらであっても効果があります。
結果、リスニングできる音の種類が増え、リスニングで聞き取れる音も増えます。
このように「リスニング力が上がること」が、ディクテーションの最も大きなメリットです。
2. 自分の弱点がわかる
英語が聞き取れない「自身の弱点」が明らかになることも、ディクテーションのメリットです。
英語が聞き取れない原因も、以下のようにたくさんあります。
- 単語がわからなかった
- 熟語がわからなかった
- 発音を理解していなかった
- 音の繋がりが聞き取れなかった(リエゾン)
- 文法がわからなかった
- 英文は一応聞き取れたけど、意味がパッとわからなかった
このように、英語が聞き取れない原因は様々なんですよね。
原因が違えば、必要な学習方法は通常異なります。
例えば、単語がわからなかったなら「単語の勉強」をすればいいですし、音の繋がり(リエゾン)が苦手なら「ディクテーション」となります。英文は聞き取れたけど意味がわからなかったら、「リーディング」が必要です。
このように、ディクテーションをすることで、自身の英語力の弱点を把握することが可能なんですよね。
3. リスニングだけでなく、文法や単語・リーディングの勉強にもなる
リスニングだけでなく、文法や単語、リーディングの学習効果も得られるのが、ディクテーションのメリットです。
先ほどディクテーションのメリットで「弱点がわかる」と書きましたが、実はどんな弱点であっても、ディクテーションでほぼ対応できるんですよね。
例えば、書き取った英文でわからない文法、単語を調べれば「文法」「単語力」が身につきます。また書き取った英文の意味を理解する中で「リーディング力」も身につきます。
このように、ディクテーションは学習効果の幅も、文法、単語、リーディングなど幅広いんですよね。
以上がディクテーションで得られる効果・メリットです。
ディクテーションの種類
ディクテーションの種類は大きく2つです。
- 穴埋め式
- 全文書き取り式
例えば「What time does Tokyo station open?」という音声を「穴埋め式」でやる場合、以下のように単語が穴埋めになっています。
What () () Tokyo station ()?
「What time does Tokyo station open?」の音声を聞いて穴埋めする
カッコ書き部分を集中して聞き取る方法が、穴埋め式のディクテーションです。
一方、全文書き取り式では、全文が以下のようにすべてわからない状態で行います。
() () () () () ()?
「What time does Tokyo station open?」の音声を聞いて、一連の英文を書き取る
当然ながら、前者の穴埋めの方が難易度が低く、後者の全文書き取りの方が難易度は高いです。
どっちが効果的かというと、後者の「全文書き取り」です。なので、音声を聞いて、英文全部書き取る練習がおすすめです。
一方、初心者であれば「穴埋め」からスタートでも良いと思います。難易度低くスタートし、慣れてきたら、全文書き取りにチャレンジすると良いですよ。
効果的なディクテーションのやり方・コツ
効果的なディクテーションのやり方・コツを解説します。結論、以下6ステップです。
1. 自分のレベルに合った教材を選ぶ
2. ディクテーションする
3. スクリプトを見ながら答え合わせする
4. 日本語の意味や単語・文法を調べ、学んだことをメモする
5. もう一度音声を聞いてみる
6. 後日、同じ英文を3回必ず復習する
1. 自分のレベルに合った教材を選ぶ
ディクテーションをやる上で大事なことは、自分のレベルに合った教材を選ぶことです。
なぜなら、難易度が高すぎる教材を選んでしまうと、全く聞き取ることができず、十分な学習効果を得ることができないからです。
むしろ英文を読んでいて「このくらいなら十分聞き取れるだろう」という内容の方が、ディクテーションには合っていますよ。
そう言った簡単な内容でも、ディクテーションとなると、実は聞き取れないことが多いんです。発音を理解していなかったり、リエゾンに課題があるからです。
ですからまずは易しめの教材を選ぶ、これが最初のステップとして必要です。おすすめ教材は記事後半で、レベル別でまとめて紹介しますね。
2. ディクテーションする
教材を選んだら、ディクテーションをしていきましょう。
用意するものは「紙」と「ペン」です。紙とペンを用意し、1フレーズずつや、10秒ごとに音声を止めながら、聞いた英文をどんどん書き取っていきます。
最初は全く聞き取れないことがほとんどと思いますが、諦めずに何度も何度も同じ文章を聞き取ることが上達のポイントです。
1回、2回聞いてわからなければ、3回、4回、5回、10回と、とにかく同じ文章で、限界まで聞き取れるように繰り返すことが重要です。
そうやって繰り返していると「もう絶対に聞き取れない…」とギブアップする段階まで来ると思います。ここまで徹底してやったら、次のステップに移ります。
3. スクリプトを見ながら答え合わせする
今度は聞いた英文の「スクリプト」を見て、先ほど書き取ったディクテーションメモと照らし合わせながら、答え合わせしていきましょう。
最初のうちは、聞き取れない箇所がたくさん出てくるはずです。間違ったところは正直にメモしていきましょう。
4. 日本語の意味や単語・文法を調べ、学んだことをメモする
次に、修正した文章でわからない単語や文法があれば、このタイミングで調べましょう。
ここでも、わからなかったこと、理解したことをメモに残しておくと、後々復習する際にとても役立ちます。
5. もう一度音声を聞いてみる
全部修正が終わったら、もう一度音声を聞いてみましょう。
答え合わせをした後なので、先ほどとは異なり、英文が聞き取れるようになっていると思います。
6. 後日、同じ英文を3回必ず復習する
最後に重要なのは「復習」です。復習を必ず3回行うことが、学習効果を最大化するために必要なんですよね。
なぜ3回復習することが必要かというと、人間は覚えたことを必ず忘れる生き物であり、3回復習することで、記憶率が格段に高まるデータが出ているからです。
「エビングハウスの忘却曲線」という理論によると、人は一度覚えたことを、1時間後に56%、1日後に74%、1週間後に76%、1ヶ月後に79%も忘れる研究が明らかになっています。
- 1時間後:覚えたことの56%を忘れる
- 1日後:覚えたことの74%を忘れる
- 1週間後:覚えたことの76%を忘れる
- 1ヶ月後:覚えたことの79%を忘れる
このように、記憶したことの80%くらいは、ほぼ忘れてしまうんですよね。以下がエビングハウスの忘却曲線をグラフ化したものです。
縦軸が「記憶率」、横軸が「時間」です。黒い曲線が「復習しなかった場合の記憶率」であり、何もしないと、時間が経つに連れて、記憶率が大きく下がることがわかると思います。
一方、オレンジ曲線が、復習した場合の記憶率です。1日後、1週間後、1ヶ月後に復習すると、記憶率は「ほぼ100%」に近くなっていることも同時にわかると思います。
- 1日後 ⇨10分間復習
- 1週間後 ⇨5分間復習
- 1ヶ月後 ⇨2-4分間復習
ですから、ディクテーションしたなら、1日後、1週間後、1ヶ月後の3回に分けて復習しましょう。
復習すると、ディクテーションした効果を脳に定着させ、英語のリスニング力は確実に積み上がっていきますよ。
効果半減!間違ったディクテーションのやり方・注意点
一方で間違ったディクテーションのやり方も存在します。
1. 自分のレベルに合わない教材を使っている
2. 聞き取れるまで何度も聞かずに辞めてしまう
3. 復習しない
1. 自分のレベルに合わない教材を使っている
前述通り、ディクテーションは自分のレベルに合った教材を使うことが必要です。
レベルが合っていないと、聞き取れないばかりか、途中で挫折することにも繋がります。
教材を選ぶ際は、自分のレベルで無理なくできる教材を選びましょう。
2. 聞き取れるまで何度も聞かずに辞めてしまう
ディクテーションは聞き取れるまで、何度も何度も何度も、繰り返し聞くことが大事です。
繰り返し聞くことを疎かにしてしまうと、答え合わせしても、脳に音の記憶が定着せず、効果が半減するからです。
ですからディクテーションをやる際は「もう聞き取れない…」と思う限界まで、やり続けることがおすすめです。
3 .復習しない
前述通り、人は覚えたことを翌日には忘れる生き物です。復習しないとどんどん忘れるので、復習しないことは絶対にNGです。
エビングハウスの忘却曲線の通り、1日後、1週間後、1ヶ月後の復習をすると、記憶率は100%になります。効果的なタイミングで、手間なく復習するようにしましょう。
ディクテーションにおすすめの音声素材
ディクテーションにおすすめの音声素材を紹介します。
迷ったら上記から選ぶことがおすすめです。それぞれ特徴を解説しますね!
初心者〜上級者におすすめ:スタディサプリEnglish
スタディサプリEnglishはディクテーション機能がついた英語学習アプリです。初心者だけでなく、中級者の英語学習や、英語上級者の英語力維持にもぴったりです。
特筆点は、ディクテーション用の音声がたくさん収録されていることです。レベルやシーンも様々で、初心者におすすめの穴埋め形式のディクテーションも存在します。
またスマホ一つでどこでもディクテーションできる点も、スタディサプリのメリットです。
ディクテーションは、本来机に向かい、紙とペンを用意して行うものです。でもそれだと、通勤・通学の電車などではできないですよね。
その点スタディサプリEnglishなら、いつでもどこでも1回3分からディクテーションできる点が使い勝手の良いところです。学習を続けやすいんですよね。
また、ディクテーションだけでなく「英会話で必要な全てのコンテンツ」を、月額わずか2,178円で学ぶことができます。
得られる学習効果を考えれば高コスパです。私も長年使っていますが、英語学習で本当の役立っているので、自信を持っておすすめできます。
加えて今なら無料でおためし体験することもできます。今から3分後にスマホで試せるので、どんな感じでディクテーションをやっていくか、気軽に触ってみることをおすすめします。
初心者におすすめ:聞いて書き取る英語リスニング300門
聞いて書きとる英語リスニング300問は英語初心者向けのディクテーション本です。CD付きで、音声を聞きながらディクテーション学習が可能となっています。
日本人が苦手な英文がたくさん収録されているので、効果実感しやすいはずです。前半は短文、後半は会話文になっており、徐々に難易度が上がっていく構成になっています。
中級者におすすめ:日本人は英語のここが聞き取れない
日本人は英語のここが聞き取れないは比較的長めの英文がまとまったディクテーション本です。
難易度としては少し上がるので、こちらは英語中級者におすすめですね。
上級者におすすめ:TED
上級者におすすめなのはTEDです。
TEDは様々な業界で実績を残した著名人による、ハイレベルなプレゼンを視聴できるサイトです。使われている英語は難しいものも多いので、上級者の題材としておすすめです。
TEDの良いところは、英語学習はもちろん、プレゼン内容自体も勉強になることです。私自身も、自分が興味のある分野のプレゼンでディクテーションしていましたが、英語の勉強にもなり、自身の勉強にもなる、一石二鳥でディクテーションすることができました。
ディクテーションのデメリット
ここまでディクテーションのメリット中心に目を向けましたが、実はデメリットも存在します。
一言一句聞き取ろうとしすぎてしまう
ディクテーションは性質上、一言一句を聞き取ろうとしすぎてしまうことがデメリットです。
リスニング練習で一言一句聞き取ることは効果的ですが、実際の英会話では、英語を「固まり」として理解することが一番自然な形です。
例えば「This is an apple」という英文を聞いた時、「This」「is」「an」「apple」と一言一句ではなく、「This is an apple」の一文でパッと意味を理解するようなイメージです。
- ディクテーション:一言一句を意識し、意味を理解する
- 普段の英会話:文章の固まりを意識し、意味を理解する
このようにリスニングする上での「意識」が違うんですよね。
とはいえ、文章の固まりで理解するためには、そもそも一言一句聞き取れないとできません。
ですので、最初はディクテーションで聞き取る力を高めつつ、ある程度力がついたら文章の固まりで理解する流れが、個人的にはおすすめです。
ディクテーションと一緒にやっておきたい勉強法
ディクテーションとセットでやると効果的な勉強法も紹介すると、おすすめは「瞬間英作文」です。
瞬間英作文は、聞いた日本語を英文で組み立てるトレーニングです。瞬間英作文は「スピーキング力」を高めることができるので、ディクテーションの補完的な役割として最適です。
また英文を自分で作ることで「英語を文章で理解する力」もつくこともメリットです。前述したリスニングを「文章の固まり」で理解する力を身につけることも、瞬間英作文なら期待できます。
詳しくは「瞬間英作文の効果は?やり方から教材まで、実際に使った経験から解説」でやり方をまとめているので、参考にしてみてください。
まとめ
ディクテーションは英語のリスニング力を高める上で、極めて効果的な勉強法です。
私もディクテーションを愚直にやり続けたことで、リスニング力は見違えるように上がりました。また、これは私だけでなく、多くの英語学習者も同様です。それほどディクテーションは、効果が高い勉強法なんですよね。
英語を聞く力は一生のスキルです。勉強して損は一つもない上に、メリットは本当に大きいので、ぜひトライしてみることをおすすめします。
1. リスニング力が伸びる
2. 自分の弱点がわかる
3. リスニングだけでなく、文法や単語・リーディングの勉強にもなる